【将来安泰?】理学療法士・作業療法士の行政職ってどんな仕事?行政PTにリアルな話を聞きました

目次

行政機関とは

行政機関とはこのように定義されています。

行政権の行使にたずさわる、国や地方公共団体の機関のことをいう

引用:weblio辞書

ひととくりに行政機関といってもその職種は多岐に渡ります、

例えば、国の行政機関だけでもこのようにたくさんの職域があります。

国の行政機関の一例
  • 内閣官房
  • 警察庁
  • 防衛庁
  • 金融庁
  • 総務省
  • 法務省
  • 外務省
  • 厚生労働省
  • 文部科学省など

行政機関は国だけでなく、日本全国の都道府県・市・町・村それぞれにあります。

行政理学療法士と関係性が高い組織がこちらです。

行政理学療法士が機関の一覧
  • 社会福祉協議会
  • 身体障害者福祉協議会
  • 保健所
  • 市町村保健センター
  • 地域包括支援センターなど

行政で働く理学療法士の数

少し古いデータですが、日本全国の理学療法士のうち11,362名を対象にどこで働いているかをアンケート調査してまとめた報告があります。

その中で行政機関で働く理学療法士の割合はこちらです。

保健所 0.2%
区市町村保健センター 0.3%
国 0.1%
都道府県庁 0.1%
区市町村役場 0.6%
その他の行政職 0.2%

引用:理学療法士実態調査報告|理学療法学

全理学療法士のうち、0.1%〜0.6%なので行政職で働く理学療法士はかなり少ないことがわかります。

その中でも区市町村役場が0.6%で最も高いです。

ちなみに、1番割合が高いのは一般病院で全体の65%にものぼります。

このデータを基に行政機関で働く理学療法士を推計するとこんな感じです。

行政で働く理学療法士の数
  • 保健所:約22人
  • 区市町村保健センター:約34人
  • 国:約11人
  • 都道府県庁:約11人
  • 区市町村役場:約68人
  • その他行政職:約22人

行政機関で働く理学療法士・作業療法士は増える

さきほどのデータよりも新しいもので平成29年度に行政で働く理学療法士と作業療法士の数をまとめて発表したものがあります。

理学療法士
(平成29年度)
作業療法士
(平成29年度)
855244
引用:理学療法士・作業療法士の需給推計について|厚生労働省

さっきのデータよりも行政PTが増えてるね

近年行政で働く理学療法士が増えているようです。

理学療法士は作業療法士と比べても約600人多いようです。

このデータをもとに厚生労働省が、今後行政で働く理学療法士・作業療法士数の推移を予測しています。

2018年2025年2040年
PT1057人1595人2748人
OT378人486人717人
引用:理学療法士・作業療法士の需給推計について|厚生労働省

この推計をみると、今後行政で活躍する理学療法士がどんどん増えていくかもしれません。

理学療法士・作業療法士が行政職に就く2つのパターン

理学療法士が行政に就職する2つの方法
  1. 行政機関に「理学療法士」として雇用される
  2. 行政機関に一般職員として雇用される

「理学療法士」として雇用される

理学療法士の専門職としての活躍を期待されて雇用されるパターンです。

行政職の理学療法士を目指すのであれば、このルートを狙いましょう。

一般職員として雇用される

もう一つは専門職枠ではなく、一般事務職として行政機関に入職するパターンです。

この場合は理学療法士としての知識・技術を生かすことを期待されているわけではありません。

「理学療法士免許を持っている事務職員」という立ち位置です。

そのため、市民課・総務課・総合政策課など理学療法士と全く関係なに部署に配属となります。

自治体職員はだいたい3年おきに人事異動があります。この移動のタイミングで理学療法士としての専門性を発揮できる部署に異動になることを日々願うことになります。

理学療法士の専門性を活かしやすい部署
  • 介護福祉課
  • 福祉政策課
  • 自立支援課
  • 健康増進課
  • 地域包括課など

ただ、この方法ははっきりいておすすめしません。

どのタイミングでこのような部署に配属されるか分かりませんし、定年まで配属されるとは限りません。

また、定期的な部署で再び全く畑違いの部署に飛ばされる可能性があります。

「専門職の理学療法士」として行政職への入職を狙おう

行政理学療法士の求人のある?

どのくらい行政理学療法士の求人があるのか気になりますよね?

実際に調べてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

求人はまだまだ少ない

ぼくがみたときは公務員理学療法士の求人が62件あり、行政職はそのうち2件だけでした。

その割合は3.2%です。

やはり、公務員理学療法士の中でも行政職の求人は少ないようです。

行政職の求人を探す方法

行政理学療法士の求人を簡単に探す方法を紹介します。

気になる方はお住いの地域の求人情報をチェックしてみましょう。

STEP
下記サイトにアクセス
STEP
検索窓に「理学療法士」と検索
STEP
公務員の種類▶︎「地方公務員」で絞り込み検索
STEP
傑作結果から◯◯市が出している求人を探す

求人の募集要項の実例

これは関東のとある市で出されていた理学療法士求人です。

市の教育委員会に勤務する可能性もあるようですね。教育委員会でどのような業務をするのかはきになるところです。

試験内容はこんな感じでした。

試験内容
  • 1次試験
    基礎能力+性格検査
    ( SPIテストセンター方式)
    エントリーシート&自己紹介シート審査
  • 2次試験
    個人面接
  • 3次試験
    個人面接

いわゆる公務員試験と大きな変わりはありませんが、個人面接を2回パスいないといけないのが大変そうです。

この求人に年齢制限はありませんでした。


もう1つの行政求人の概要も紹介します。

試験内容
  • 1次試験
    教養試験(高校卒業程度)
    作文
    適性検査
  • 2次試験
    個人面接

こちらは採用日前日に45歳未満という年齢制限がありました。

募集要項に書いてるように、運動指導だけでなく、企画運営など自発的な能力が求められるようです。

行政理学療法士の求人は年齢制限がゆるいが、求人数が圧倒的に少ない

行政理学療法士に必要な2つのマインド

行政理学療法士・作業療法士に必要なマインドを紹介するよ

「行政職員」を受け入れる

行政リハビリ専門職は、リハビリ専門職である前に行政職員であるという意識が大切です。

まず、こん大前提をおさえておきましょう。

専門職として雇用されたのだから、その専門領域だけを担当すればよいということにはなりません。

行政の行う施策には根拠となる法令があり、それを行うための予算があり、予算を使って事業するためには、わかりやすい起案文書の作成も求められます。

つまり行政内の流れを理解せずして仕事を行うことは不可能です。

積極的に行政の一員として何ができるかを常に考えて行動する能力が求められます。

政策までつなげる広い視野

民間に勤める理学療法士は1対1で目の前の対象者のサポートに全力を注ぐことが大きな責務です。

行政職の理学療法士・作業療法士は違います。

1人が抱える課題を地域そして最終的には政策まで広げていく必要があります。

その責務を全うするためには1対1ではなく、広い視野で業務に従事する必要があります。

理学療法士・作業療法士が行政職として働くうでの必要な心構えはこちらの資料が参考になりますので、興味ある方はご覧ください。

行政リハビリ専門職の手引き

行政理学療法士・作業療法士の仕事実例

行政PTの仕事を実例紹介するね

大阪府大東市

1つめは大阪府大東市の行政理学療法士・作業療法士の実務事例です。

1.健康体操と健康相談

理学療法士・作業療法士が地域サロンなどで行われる「大東元気でまっせ体操」という健康体操の運営をされています。会場に出向き、安全に適切な体操が行えるように環境を整え、対象者の生活障害改善に必要な負荷量設定や微調整のアドバイスをされています。また、対象者を含め体操に参加している全ての高齢者の健康相談や生活機能の改善の相談に乗られているそうです。

2.生活サポート事業の運営

地域で困っている高齢者に生活サポーターに登録した住民ボランティアが困りごとに内容を支援するような仕組み作りを構築されています。

サポーター育成のために講義や実技指導されたり、生活サポートが安全かつ有益な事業になっているか見極め、必要に応じて事業調整をされているようです。

支援内容
掃除、洗濯、買い物、調理、庭掃除、大型ごみの搬出、家具のレイアウト変更、電球交換、外出の付き添い、囲碁など趣味の相手、話し相手、ペットの散歩など

岡山県津山市

2つめは岡山県津山市の行政理学療法士・作業療法士の実務事例です。

1.事業評価尺度の作成

運動教室の実施効果を判定するために、評価尺度を編成されています。

行政PT・OTが選定した評価項目
ADL調査票・身長・体重・膝伸展筋力・最大一歩幅・握力・5メートル歩行・開眼片足立ち・長座体前屈・TUGなど

これらの評価項目を理学療法士・作業療法士が運動事業を開始する前と終了後に測定して比較することで介入効果の証明とサービスのブラッシュアップにつなげているようです。

2.サポーター養成事業の運営

介護予防の効果を高めるためには支援者にその必要性を感じてもらうことが重要という考えにいたりました。

そのため、対象者を支援する社会資源として地域で活動できるよう支援し、支援者自身も必要なときには積極的に介護予防に取り組んでもらえるよう、サポーターという形で参加者を支援してもらえるような働きかけや広報を実施したそうです。

行政理学療法士に求められる人物像

1.地域貢献に対する熱意

1番重要なのは地域貢献したいという熱い想いです。

この気持ちがないと、行政理学療法士・作業療法士として長年勤め上げるのは気持ち的に大変だと思います。

反対に

「生まれ育った町が大好き」

「この町をなんとかしたい」

「地元を元気にしたい」

こんな考えがある方には行政職は向いてるのではないでしょうか。

2.発想力・事業計画能力

理学療法士・作業療法士が専門職として役割を果たすためには、だた運動指導をするだけではダメです。

きちんと事前に実施計画を立案し、その事業の必要性を明確にしておくべきです。

近年、多くの理学療法士が行政職に就いており、介護予防を目指した地域づくりは、これらの理学療法士が企画段階から関与することで、より有機的なものになると期待される。

引用:介護予防プログラムと理学療法|理学療法科学

この論文でもいわれているように、企画段階から参画して主体性を発揮する必要があります。

3.データ分析能力


体操教室などの事業をやりっぱなしでは自分の成果は認められないですし、社会的意義も高まりません。

きちんと事業効果を判定してデータとして提示していく必要があります。

そのためにはデータ分析能力が問われることになります。

データ収集や数値分析が得意な人は行政職が向いていると思います。

4.組織への順応性

行政職となると、いわゆるお役所仕事です。

やはり、その職場によって仕事中の様子や職員さんの性格や雰囲気は違います。

今までのリハビリテーション室の様子とはまるで別世界に感じるはずです。

「郷に行っては郷に従え」

という言葉があるように、全く別空気の世界に順応できないとけっこうしんどいと思います。

行政理学療法士に聞いてみた

知り合いの行政PTに話を聞いてみたよ

行政理学療法士の簡単紹介
  • 性別
    男性
  • 資格
    理学療法士
  • 経験年数
    12年目
  • 勤務地
    町(人口5000人未満)の地域包括支援センター
今はどんな仕事をされていますか?

地元の地域包括支援センターで働いています。業務内容は本当に多岐に渡りますが、定期的に地域サロンに出かけて運動指導をしています。また、地域主体で運動に取り組めるようにサポーター養成事業の運営をしています。主体は理学療法士ではなく、あくまで地域住民です。そのため、事業が円滑に稼動するようにテコ入れをしたり、支援者の方にアドバイスをしたりしています。不定期で市民講座で講師として健康に関する講話をしたりしています。

行政職は楽しいですか?

病院勤務時代から介護保険や地域リハに興味があったので、とても楽しいです。やりがいを感じながら毎日仕事に取り組めています。

行政PT・OTに必要なことはなんだと思いますか?

とにかく自主性です。理学療法士は1人なので自分から提案や問題提起する能力が必要です。あとは何か事業を開始するときには理路整然とその事業必要性を説明できるプレゼン能力も重要です。あとは地域の方や他職種の方と話す機会がとにかく多いのでコミュニケーション能力も必要だと思います。

行政PTで辛いと感じることはありますか?

行政あるあるですが、ルールの縛りがきついですね(笑)。なにか新しく事業をやろうと思ってもルールや制度によって頓挫することは多々あります。また、そのルールも改正されたいるするので、細かいルールに左右されるのは大変だと感じています。

楽しいと感じるのはどんなときですか?

1番は地元のおじいちゃん・おばあちゃんと深く関われるところです。みなさんきさくに話しかけてくださるので助かっています。また、なにか事業をして明確な成果が数値として現れたときもとてもうれしくなりますね。

行政理学療法士の給料事情

給料事情についても聞いたのでまとめてみます。

キャプション
  • 社会人経験者だと大卒の人よりスタート基本給は優遇
  • 昇給は病院時代よりもいい(5000円〜10000円/年程度)
  • 昨年のボーナスは4.5ヶ月分

所属する自治体によって待遇は大きく異なります。

【非推奨】安易に行政理学療法士を目指す

昇給は民間の理学療法士よりも間違いなく高いです。

経験年数が上がるといずれは民間PTの給料を越えて生涯年収でいくと行政PT・OTの方が高くなります。

しかし。安易に収入UPだけを求めて行政(公務員) PTを目指すのは強くおすすめしません。

行政PT・OTは職場内で数少ない専門職です。

リハビリテーション室のように職場内が全員PT・OTなんてことはありえません。

マイノリティーの中で自分の存在感を発揮していく高いバイタリティーが求められます。

また、企画運営能力・数値分析能力・発想力など様々な専門外スキルが必要です。

地域貢献に対する情熱がないのに、行政職になってしまうと一生後悔するかもしれません。

【強推奨】年収アップしたいならまず相場を見る

もし、あなたが年収UPに重きをおいているのであれば、行政職ではなく民間の他施設への転職をおすすめします。

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