理学療法士に大切なことってなんだろう?
現役10年目PTがリアルに感じる理学療法士に大切なことを紹介するよ
- 人を思いやる気持ち
- 体力がある(健康)
- 忍耐強い
職業ハンドブックなどに理学療法士に向いている人の欄には大体このような当たり障りないことが書いてあります。
しかし、これではなかなか本当に向いているのかイメージができないと思います。
そこで、この記事では10年目理学療法士であるぼくが現場で働く上で切に感じているリアルに理学療法士にとって大切なことを7つ厳選して紹介します。
理学療法士はどんな仕事
まず、理学療法士がどんな仕事か簡単に紹介します。
理学療法士とは
理学療法士はドクター・看護師などと協力してチーム医療の中で患者さんの動作動作能力の回復を図る職業です。
基本動作とは寝返り、起きあがり、椅子に座ってバランスをとる、椅子などから立ち上がるなどの起居動作や歩くなどの移動動作のこと
参考文献:高齢者における下肢筋力と起居・移動動作能力の関連性
寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行などの基本動作だけではなく、スポーツ選手の競技復帰のサポートするのも理学療法士の仕事です。
Jリーグやプロ野球でも理学療法士が専属トレーナーとして活躍しています。
理学療法士の職場
- 病院
- 個人クリニック
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
- 行政
- メーカー(医療系など)
- スポーツジム
- スポーツチーム
- フリーランスなど
この中でも病院に勤めている人がもっとも多いです。
理学療法士学科の新規卒業者の就職先を20年間調査した結果、病院関係が91.6%で最も多かった。.
引用:理学療法学科新規卒業者の 20 年間における就職地域と就職先調査|理学療法とちぎ
最近では病院に限らず、理学療法士の職域はどんどん拡大します。
今後は病院に限らず、いろいろな職場で理学療法士の専門性を生かして活躍することが期待されています。
理学療法士にとって大切なこと7選
理学療法士に大切なことを解説するよ
自分の家族にリハビリする気持ちを持つ
ぼくが理学療法士として働くうえで最も大切にしているのは
自分の家族だと思って目の前の患者さんにリハビリを提供する
ということです。
みなさん、自分の家族がケガをしたら、どうすればよくなるのか真剣に考えますよね?
理学療法士の業務とそれと同じです。
すべての患者さんに対して自分の家族だと思ってリハビリするように心がけると全力でリハビリ業務にあたることができます。
なんでだろうアンテナを常に張る
小さい子供ってなんでも疑問に感じて
「これはなあに?」
と聞いてきますよね。
知的好奇心というか自分の知らないことやいつも違う事象に対して疑問に感じられることは理学療法士としてとても大切です。
リハビリで対象となるのは、機械ではなく生身の人間です。
そのため、腕の上げ方、歩き方のクセ、体を痛めた原因などは一人一人で違います。
まさに千差万別です。
そのため、教科書通りのリハビリを繰り返していてもうまくいかないことがほとんどです。
患者さんの動きや動作をチェックしたときには
「どこか痛みの原因になっている動きはないかな?」
「なぜこんな体の使い方をしているんだろう?」
「この動きを修正するにはどうすればいいかな?」
こんな感じでなんでだろうアンテナを張り巡らせ、その人にあったリハビリメニューを考えることが大切です。
教科書を鵜呑みにしない
さきほどのなんでだろうアンテナに通じるものがありますが、教科書を鵜呑みにしないということも大切です。
繰り返しになりますが、理学療法士が相手にするのは機械ではありません。
教科書に書いてあるいわばマニュアル通りの内容だけでは質の高いサービスを提供することはできません。
そのため
教科書は最低限の知識
という認識をもつことが大切です。
教科書の内容は知識として蓄えつつ、さきほどのなんでだろうアンテナと想像力を駆使して最善のサービスを探していく作業が理学療法士には求められます。
資格取得後の勉強をいとわない
理学療法士は国家試験に合格して就職したら勉強が終わりというわけではありません。
むしろ理学療法士として働きだしてからの勉強の方が大切です。
理学療法士の業界は日進月歩していてどんどん新しい知見が生まれています。
そういった知見や技術を常にアップデートしつづけることが大切になるので一生勉強ということを念頭におきましょう。
1〜3年目ですべてが決まる
理学療法士は国家試験の理学療法士免許取得後の
1年目〜3年目の行動で全てが決まる
ということを知っておきましょう。
これはぼくが最初に入職した病院の上司にいわれた言葉です。
当時はこの言葉の意味がよくわかりませんでしたが、今となっては本当に的を射ていると感じています。
若いうちは遊んでそれから勉強して理学療法士として活躍しようと思ってもおそらく無理です。
4年目以降で勉強しようと思っても、勉強や調べものをしないことが習慣化してしまいます。そもそも、そのころには勉強しようとも思わなくなってしまいます。
こういった理学療法士はぼくがいうのもなんですが、かなりイマイチな感じです。働いている姿にも覇気がなく、キラキラしたものが感じられません。
患者さんだけでなく、職場内での他スタッフにも信頼されている魅力的な理学療法士は1年目〜3年目のうちにしっかりとした基礎固めをしています。
ぼくの周りでバキバキに活躍して成功を収めている
- 養成校時代の友達
- 養成校時代のサークルの後輩
- 職場の後輩理学療法士
などはみんな揃って1年目から積極的に勉強をしていました。
この事実を知っておくだけでも、理学療法士になってからの自分の行動が変わるはずです。
上からモノを言われても気にしない
理学療法士は職場内の序列は決して高くありません。
そのため、他職種の方から上から発言されることがあります。
このとき、毎回カッとなっていてはキリがないので気にしないようにしましょう。
自分の心が乱れた状態では良質なリハビリサービスを提供することはできません。
自分に明らかに非がないのに、強い物言いをされたときには
右から左に受け流す
というメンタルを持つことが大切です。
理学療法士の現実を受け入れる
最後は理学療法士業界の現実を受け入れるということです。
理学療法士が抱える課題の1つは収入面です。
国として医療費を抑制する潮流の中で今後、理学療法士の収入が増える可能性は極めて低いです。
まず、こういった理学療法士業界の今後の見通しを知っておくことが大切です。
そうすれば、自分がせっかく理学療法士になったとしても食いっぱぐれないためにはどうすればいいのか自然と考えるようになります。
個人的に、今後理学療法士に重要になってくるのは副業で本業以外の収入の柱(副業)を創り出すことだと思っています。
幸い理学療法士は専門職なので、自分のスキルや学んできたことは一般の人からしたら知り得ない内容ばかりです。
この理学療法士の専門的な知識・技術というのは副業にフル活用することができます。
専門職の強みですね。
詳しくは下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
理学療法に興味を持てるかが一番大切
現場で10年働く理学療法士として大切なことを7つ紹介しました。
今回あげた7つことはどれも間違いなく大切です。
しかし、極論をいうと
理学療法にどれだけ興味を持てるか
ということです。
理学療法に興味があれば、無意識的に勉強にも取り組めますし、もっといいリハビリを提供しようという向上心もわいてくるはずです。
そのため、勉強が苦手とかは全く気にする必要はありません。この記事だけでなく、理学療法士に関する情報を色々とあつめて自分の将来設計をするようにしましょう。